議会議事録検索

出水市令和5年第4回定例会 第6日

○18番(中嶋敏子議員) ただいま提案されております議案第58号「令和5年度出水市一般会計補正予算(第9号)」に、問題点を指摘して反対いたします。
問題点の1つは、戸籍住民基本台帳事務費が新規計上されていますが、制度改正に伴う戸籍総合システム等改修委託費985万60円が計上されていることであります。これは、マイナンバーのひもづけで氏名に振り仮名をつけ、重複を避けるために必要なシステム改修に要する費用で、全額国庫負担であるとの認識をしております。もともと政府が進めるデジタル化の目的が公共部門を民間企業に開放すること、自治体の効率化、合理化を進めるなどにあります。スマート自治体は人口減少、税収の減少が予測される中で、従来の半分の職員でも自治体として本来担うべき機能が発揮できるとされています。その結果、新たな格差拡大、公共性の縮小、自治の縮小、市民の権利侵害、地方の崩壊を招きかねないリスクを伴っております。市民の利便性向上や地域経済の発展、医療福祉教育の充実に寄与するデジタル化は必要ですが、現在、政府が進めているマイナンバーカードの普及促進等を強力に進めるデジタル化は、市民の暮らしに重大な影響を及ぼすと考えます。
本予算は、こうしたことを拙速に進めようとした中で生じた問題点を解消するために、必要な予算措置であることは、一定理解しますが、マイナンバーの推進そのものに問題があることから、認めるわけにはいきません。
2つ目は、財産売払収入1,913万9,000円が計上されていることです。これは、昨年9月議会で、高尾野工業団地内の市道廃止が提案され、私を含め6人の議員が反対しましたが、今回これが関連する2業者に売却されたものの売払代金が計上されたものであります。
私は、自ら所属する産業建設委員会では反対しなかったのですが、その後、現地を再確認し、市民の意見集約をするなどして検討し直した結果、これには賛同できないという結論に達しました。現地には、この道路が令和6年1月4日から市民は通行できないことを示す看板が、両方の入り口に立ててありました。信号から工業団地に入り、今回払下げられた先にある迂回路でしょうか、そこは特に入り口部分が狭く、しかも道路右側には深い用水路があるため、危険であります。車の離合も困難で、散歩する人にはリスクが高まります。
払下げの過程にも問題ありと指摘しましたが、払下げ価格、売払い代金が議会の議決を必要としない2,000万円以下にされたことも、恣意的であります。少なくとも、売却するには関係2業者の負担による代替道路の整備を前提とするべきだと考えます。そこができていない現時点では、買戻しを図るべきだと考えます。
以上、問題点を指摘して討論といたします。