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出水市令和5年第4回定例会 第4日

○椎木伸一市長 田中秀一議員の御質問にお答えいたします。
まず、ラムサール条約登録湿地の新しい見せ方についてでございます。現在、ツルの早朝の飛び立ちを楽しんでいただくために、ツル観察センターの早朝開館を行っております。
また、越冬地利用調整事業により、観光客の入域を規制し、環境保全協力金の徴収や観光ルートを含む域内での移動手段を制限する取組を行っているところであります。協力金をいただいた方へのサービスといたしまして、ツルを観察するためのレクチャー動画を見てきただき、双眼鏡やカメラ、電気自動車の無料貸出を行っているところであります。このサービスが好評なことから、今後、多人数で乗車できる環境に配慮した専用車の導入を検討しております。この車両には、エコツーリズムガイドが同乗し、ガイドを行うことも想定しているところであります。
また、長期的には、立入規制を明記した出水市エコツーリズム全体構想を策定しまして、エコツーリズム推進法による規制ができればと考えております。
次に、ツル観察センターの駐車場についてであります。現在、ツル観察センターには障害者用3台分、大型バス用3台分、普通自動車用165台分の駐車場がございます。旧トイレ前のスペースにつきましては、大型バスの旋回(転回)や4台以上のバスが来た際の駐車スペースとして利用するために確保しているところですので、一般駐車場としての利用は考えていないところであります。
なお、観光バスの利用状況は、後ほど商工観光部長から答弁をいたします。
次に、センター周辺の電線の地中化についてでありますが、電線の地中化については、できれば越したことはないと思いますけれども、電線の地中化については、御存じのとおり、その工事には多額の費用を要することから、現時点では難しいものと考えてございます。
次に、駐車場トイレの通年24時間の利用についてであります。本年第2回定例会で宇都修一議員の御質問にもお答えいたしましたとおり、ツル観察センター屋外トイレは、観光客に気持ちよく利用していただくこと及び防犯上の理由から、管理者が不在の時間帯に利用できるようにすることは考えていないところでございます。
次に、干拓地堤防の観光への生かし方と問題点についてでございますが、堤防はその設置目的上、基本的には立入りできない場所でございまして、安全等上も多くの課題がありますので、観光へ生かすことは現時点では難しいと考えております。一方で、東干拓の干潟につきましては、干潟の学校や夜の干潟観察会など交流学習の場として積極的に活用していきます。
次に、ツル保護センターの活用状況と今後についてでございます。ツル保護センターは、傷ついたツルを保護する保護ケージ、保護・回収したツルの検査のための隔離施設及び管理棟からなり、保護ツルの飼養だけでなく、ツルに鳥インフルエンザ等が発生した際の防疫体制を整えた施設として活用しているところでございます。このため、このようなツル保護センターの機能上、観光客の立入り等については難しいのではないかと考えております。
次に、休遊地の意味と現在の範囲で区画されている理由についてでございますが、昭和37年から現在の干拓が整備されまして、出水干拓東西地区、いわゆる東干拓、西干拓でございますけれども、完成いたしましたが、完成前の湿田をねぐらとしていたツルが多数おり、ねぐらを追われるおそれが出たことから、昭和39年に市が荒崎の人工ねぐらを設置いたしました。これに続きまして、昭和47年に「餌まき場」として水田を初めて借り上げ、人の立入りを禁止し、ツル保護を目的とした区域を確保したのが休遊地の始まりとされております。
その後、昭和54年に文化庁が「食害対策事業」を導入し、休遊地は約51ヘクタールに拡大されました。
さらに、平成8年に当時の環境庁が、出水平野内でツルの分散化を試みるため、出水干拓東地区内の東干拓ですけれども、約53ヘクタールの水田を借り上げ、独自の休遊地を設定し、現在の範囲となっているところであります。
次に、ツル観光タクシー及びツル観光周遊バスの運行状況についてであります。ツル観光周遊バスは、利用者の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、令和元年度を最後に廃止されております。このため、令和2年度にツル観光の二次アクセスの利用状況を検証するため、出水ツル観光タクシー・バス実証事業を実施し、その結果を踏まえまして、令和3年度からツル観光タクシーを運行しております。
ツル観光タクシーの利用状況は、後ほど商工観光部長から答弁いたします。
次に、ラムサール条約の湿地自治体認証都市としてのイベント計画についてであります。毎年2月2日の「世界湿地の日」の時期に合わせまして、イベントを実施することとしております。
今年度は、2月3日にバードフェスタとして、連携協定を結ばせていただいておりますOMデジタルソリューションズ株式会社様の野鳥撮影会やツルガイド博士によるバスツアーなどを計画しているところであります。2月4日には、「世界湿地の日シンポジウム」としてツルのまち童話大賞表彰式やラムサールレンジャーの活動発表、湿地に関する講演会を計画しているところであります。
次に、ラムサール条約登録地近辺の観光活用についてお答えいたします。
まず、荒崎新地の石造干拓施設群は、江内川の河口付近にある島津樋門跡及び河川堤、荘の潟地区にある潟樋門跡の3施設で構成され、令和5年9月25日に土木学会選奨土木遺産として認定されました。
選奨土木遺産とは、公益社団法人土木学会が、歴史的土木構造物の保存に資することを目的に、竣工後50年を経過した土木・建築の施設を対象として認定し、顕彰を行うものであります。
この石造干拓施設群は、薩摩藩独自の行政制度のもと、1866年、慶応2年ですけれども、肥後藩との技術交流によって実現した干拓事業ということが評価され、認定に至ったものであります。
今後の予定といたしましては、各石造干拓施設を巡り歩くイベントや、認定に至る調査活動に御尽力くださいました第一工科大学の本田教授を招きまして講演会を予定しているところでございます。
このほか、説明板の追加設置やパンフレットの作成など情報発信に努め、本市の新たな観光資源の1つとして、ラムサール条約湿地に登録された出水ツルの越冬地と組み合わせた新しい観光ルートを創設するなど有効活用を図っていきたいと考えております。
次に、蕨島遊歩道の計画内容と活用方法についてであります。本遊歩道につきましては、蕨島地域の北西端の市有林に整備を検討しており、現在、基本設計業務を実施しているところであります。
当該箇所につきましては、ツルの北帰行のコースにも位置していることから、ツルを見送る岬としてラムサール条約登録地と併せた観光の活用を考えております。
また、近くには桂島、遠くには不知火海に連なる島々を眺望できる場所となることから、遊歩道等を整備しまして年間を通じて利用できる憩いの場所となるよう計画を進めております。
次に、北薩広域行政事務組合旧衛生センター跡地の活用についてでありますが、現時点では、活用の計画は持っていないところでございます。