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出水市令和5年第3回定例会 第5日

○椎木伸一市長 鶴田均議員の御質問にお答えいたします。
   まず、観光施策の具体的な取組についてです。本市の観光は、新たなキャッチフレーズを「世界へ誇れる豊かな自然・未来へ紡ぐいにしえのまち」としまして、令和3年ラムサール条約湿地に登録された出水ツルの越冬地や、令和元年日本遺産の構成文化財の一つに認定されました出水麓武家屋敷群などの観光資源の回遊性を高め、着物着付け体験や観光牛車などの体験型観光で観光客の満足度の向上を図っております。また、いずみわくわくステイプランやいずみマチ・テラス、ツルトライトリレーマラソンなどのイベントを開催いたしまして、観光客の誘致を推進しております。
   次に、観光情報の啓発についてでございますが、いずみナビやSNSなどによる情報発信は、令和3年度から出水市観光特産品協会に委託して発信をしてもらっております。また、最新の情報を掲載した観光パンフレットや新たなデザインの観光ポスターを現在作成中であり、さらに今年度中にはAI翻訳機能等を搭載した観光ホームページを作成し、来年度から運用する予定となっております。
   次に、インバウンドの推進についてでございます。今年の2月に台湾の旅行会社を10社、6月にはマレーシアの最大手の旅行会社でありますアップルバケーション社や日本政府観光局(JNTO)を訪問いたしまして、本市の観光や特産品のPRを行ったところでございます。また、本市の新たなツアーを造成して、令和6年3月に開催されるマレーシア旅行博である「MATTA
 FAIR(マッタフェア)」と言いますけれども、この旅行商品を販売するための経費等を今回の補正予算に提案しておりまして、インバウンド誘致につなげていきたいと考えております。
   次に、ラムサール条約登録湿地、出水ツルの越冬地の観光への生かし方についてでございます。現在、昨年3月に策定いたしました出水市ラムサール条約湿地保全・利活用計画に基づきまして越冬地利用調整を実施しながら、ツルの朝の飛び立ちを見ることができるように、午前6時半からツル観察センターを開館いたしまして、観光交流人口の増加を図っております。また、出水ツルの越冬地ならではの受け入れ体制を強化するため、バードウォッチング等を中心としたエコツーリズムを推進しておりますが、エコツーリズムガイド養成講座などで人材を育成し、観光客にツルと人との共生の歴史や国際的に重要な湿地であることなどを説明することで、観光客の満足度が向上するものと考えております。
   次に、出水麓武家屋敷群の生かし方と出水麓歴史館に設置したVR体験(仮想空間体験システム)の活用状況についてでございますが、出水麓武家屋敷群は令和2年8月に規制緩和を行い、昨年6月「RITA出水麓宮路邸」がオープンされました。また、観光庁の補助事業を導入・活用して、「レストランKAIEDA」が本年5月に、「RITA出水麓土持邸及び加藤邸」が6月に、「レストランIzuru」が8月にオープンするなど、民間事業者の事業参入が活発になっております。
今後も、重要伝統的建造物群保存地区の歴史的な景観を守りながら不易流行の精神、いわゆる守らなければならないものはしっかり守り、新しい手法を取り入れていくという考え方のもとに、関係団体と連携しながら、観光資源としての活用に取り組んでまいります。
また、令和2年度末に導入いたしましたVR体験システムには、江戸時代の出水麓を復元したVRを体験する「出水麓時空ツアーズ」と、市内観光地を360度カメラで撮影した映像をゴーグルで体験する「ぐるっと!出水1日散策」がございます。
   VR体験システムの利用者ですが、令和3年度は991人、令和4年度は1,079人となっています。より多くの来館者に利用していただくために「出水麓時空ツアーズ」では、クイズイベントを開催しております。御利用いただいた方からは、「江戸時代の麓が分かりやすい」、「ゲームみたいでおもしろい」など、おおむね好評をいただいているところであります。また、「ぐるっと!出水1日散策」は、麓を回る牛車の乗車風景のほか、東光山や早朝のツルの飛び立ちなど、市内観光地の映像をその場で視聴することができます。こちらにつきましても、紹介した観光地に実際見に行かれた方もいらっしゃるとお聞きしておりますので、VRが活用されているものと考えております。また、今後のインバウンドはじめ、観光誘致事業においても活用してまいりたいと考えているところであります。
   次に、各養鶏組合の鶏を生かした戦略についてでありますが、マルイ農業協同組合では、現在、鶏肉の国内外への販売拡大を目的といたしまして、食鳥処理加工施設を建設中であり、卵も含めてさらに安心・安全な畜産物を安定的に出荷できるように努めていくとのことでございます。また、赤鶏農業協同組合では、他社との共同での商品開発や販売に取り組むなど、鶏肉のさらなるPRに努めていくとのことであります。
次に、川端通りを盛り上げる施策についてでございますが、コロナ禍前は通り会の主催による「ぐいぐい祭り」などが開催されていましたが、昨年までは開催されていませんでしたが、今年は開催予定と聞いているところでございます。この間、市ではコロナ禍の支援策として、宿泊者に対し、2次会応援クーポンを配布して、利用促進を図ったところでもあります。
また、先般、新聞報道にもありましたように、今後、本市の特産品である焼酎と鶏肉、竹灯籠を使った料理等を提供する「いずみ酔い鶏PR事業」にも取り組むこととしております。通り会の活性化につながるものと考えているところであります。なお、今後、通り会からの活性化につながる提案などがございましたら、連携して取り組んでいきたいと考えております。
   次に、9月16日にオープニングを迎えるウイングドームいずみ(出水市屋根付き市民ふれあい広場)でございますけれども、その利用についてでありますが、屋根付き市民ふれあい広場は、子供から高齢者までのふれあいの場、音楽イベント、フットサル等のスポーツ利用のほか、災害発生時には支援物資の中継基地として利用するなど、地方創生や防災拠点としての様々な機能を有する施設として整備したものでございます。
   この広場は、原則、いつだれでも利用できますが、スポーツや音楽イベントなど、占有して利用される場合は有料となりますことから、申請が必要となります。また、占有利用に当たっては、スポーツや音楽イベント以外に、展示会や商談会、幼稚園・保育所等の運動会・遠足等での利用も想定していますが、今後より多くの方々に利用していただけるよう、現在も個別に企業等を訪問し、PR・利用促進活動を行っているところであり、引き続き市内外への情報発信に努めてまいります。
   次に、中山間地域における魅力ある農産物の提案について、お答えいたします。
   特産品となるような作物については、栽培地の気候等に適した作物の選定のほか、収益性や栽培される農家の意向も踏まえながら、県や鹿児島いずみ農業協同組合と連携し、協議していきたいと考えております。
   次に、農道の維持管理について、お答えいたします。
   まず、維持班による農道除草等の対応についてでありますが、農道の除草等については、広域農道を除いて、これまで原則として受益者にお願いしてきましたが、自治会等で対応できない農道、農地の荒廃が進んだ特定の受益者がいない農道につきましては、令和元年度から市において対応することとしております。しかしながら、今後、高齢化等により特定の受益者での対応が難しい事案が増えることも想定されるなど、大きな課題と認識していますので、これまで取り組んできましたみんなで守るふるさと農道管理事業、いわゆる「きれか道事業」の事業拡大も含め、どのように管理していくか、検討してまいります。
   次に、市道認定要件を満たした農道等の市道認定についてでございますが、市道に認定する路線は、一般交通の用に供されるもので、起点及び終点が国道、県道又は市道等に連絡し、道路の幅員が4メートル以上で、適正な排水施設が整備されていることが認定条件となっております。これまでもお答えしていますとおり、一般車両が極端に少ない農道等は、受益者が特定される場合も多いことから、市道として管理することは適さないと考えております。
   今後におきましても、市道の認定条件や宅地化等による環境変化を勘案しながら判断してまいりたいと考えております。