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出水市令和5年第3回定例会 第4日

○1番(井伊健一議員) おはようございます。本日は、大綱3点を質問していきたいと思います。
早速ですが、通告に従いまして質問に入らせていただきます。
1、子宮頸がんワクチンの取組について、始めます。
今回は、子宮頸がん撲滅に向けた取組について、質問します。子宮頸がん、いわゆるHPVワクチンについては、平成28年第3回定例会で田上真由美議長が質問されていますが、今回、私は昨年、令和4年に積極的勧奨が再開されたことから、違う形で質問をします。
AYA(あや)世代、いわゆる15歳から39歳の若い世代のがんにかかる男女比を比べた結果、約80%が女性、20%が男性との調査結果があります。乳がんとともに子宮頸がんは、若い女性が最も多くかかる固形がんで、20代、30代の女性に多い死亡要因の病気です。大きな問題は、発症年齢の若年化が進み、発症のピークが出産年齢のピークと重なっていることです。妊娠中にがんが見つかって、子宮や卵巣を摘出したり、子育て世代の若い女性が家族を残して、亡くなったりするケースが多いため、子宮頸がんは「マザーキラー」と呼ばれています。予防できる唯一のがんと呼ばれることを考えると、とても残念なことです。
では、なぜ、「予防可能なのか」についてですが、この病気の95%以上の原因がヒトパピローマウイルスです。以下、HPVと言わせていただきます。HPVの持続的感染であると特定されており、ワクチンで感染が防げるからです。HPVは性行為で感染し、女性の大半が一生に一度はかかるといわれるありふれたウイルスです。感染したウイルスは子宮頸部の表面に留まるため、感染しても9割は1年ほどで自然に排除されますが、1割は感染し続け、約10年の潜伏期間を経て発症します。ワクチン接種では、変異がほぼない疑似ウイルスを十分接種するため、確実に免疫ができます。打てば、感染を防げると言い切れるワクチンです。ただし、2点ほど注意点があります。1点目は感染したウイルスを排除するものではない点、2点目は性行為経験を有する前での接種が何よりも大事な点の2点です。
予防効果についてですが、早くから接種を進めてきた国々では、顕著な結果が表れています。スウェーデンでは2020年未接種と比べて、17歳未満でワクチン接種した場合のがん罹患率が88%も低かったと発表しました。世界保健機関(WHO)は、同年、子宮頸がん撲滅のための目標を3つ掲げ、その筆頭に「90%の女性が15歳までにワクチンを接種すること」を挙げました。これらも踏まえ、日本も確実に予防できるとして、昨年、令和4年から積極的勧奨を再開しました。また、本年、令和5年4月からは予防効果の高い9価ワクチンの公費接種が始まりました。
「副反応が怖い。」という声についてですが、国が定期接種にした2013年、いわゆる平成25年ですが、接種後にけいれんや神経障害を起こした患者の症状などが繰り返し報道されたため、それを記憶している方もいると思います。しかし、その後、WHOが接種後のけいれん等の症状について、ワクチンの種類に限らず起こる予防接種ストレス関連反応という考えを示しました。以下、予防接種ストレス関連反応はISRRと言わせていただきます。日本で報道された症状も成分による副反応ではなく、ISRRだったとして、WHOはHPVワクチンの安全性に問題はないとの声明を出し、日本の勧奨中止を不十分なエビデンスに基づく政策決定と批判しています。ISRRは、新型コロナウイルスでも報道されていました。
ワクチン接種の不安や注射への恐怖、痛みなどが引き金となって、自律神経が乱れることなどから、過呼吸、頻脈、めまい、失神、不随意運動などが起こります。HPVワクチンの接種は針を深く刺す筋肉注射です。コロナ前の2013年当時は浸透していなかった筋肉注射や新しいワクチンに対し、不安や緊張がありました。
さらに、ISRRは10代と女性に多く発症し、ネガティブ情報などの社会的要素も絡んで起こる特徴があります。自律神経の乱れやすい思春期の女性が接種対象のため、発症要因が多かったと思われます。現在は、ISRRの考えが少なくとも医療側には浸透しています。不安要素は格段に減っているのが現状です。
ワクチン接種は、本人の努力義務のため、強制はできません。ただし、自治体にはHPVワクチン接種勧奨義務があります。しかし、残念ながら、キャッチアップ対象者には、ワクチン接種の安全性について、正しく伝わっていない可能性がります。
2023年6月に、国立がん研究センターは、HPVが引き起こす子宮頸がんの国内の現状や、予防策をまとめた報告書を公表しました。報告書では、子宮頸がんの死亡率が減少傾向の外国に対し、日本国内では横ばいが続いているデータが紹介されています。1990年前後には、イギリスやオーストラリア、アメリカよりも低かった日本の死亡率が、現在は上回っていること。罹患率も増加傾向で、特に20代から40代の若年層が増えている現状が分析されています。一方、先進国では、近い将来、子宮頸がん撲滅も可能だとの予測もあるようです。同センターの片野田データサイエンス研究部長は、子宮頸がんはワクチンと定期健診によって予防できる。積極的勧奨の中止で接種を逃してしまった世代への対応が急務と呼び掛けています。
令和4年度に、HPVワクチンの積極的勧奨が再開され、併せて積極的勧奨差し控えの影響を受けた世代、平成9年度生まれから平成19年度生まれに対しても、キャッチアップ接種が開始されました。キャッチアップ接種対象世代には、ワクチン接種率がわずか数%程度という学年もあり、将来の子宮頸がんを減らすには、この機会にワクチン接種を進める必要があります。この状況に、多くの専門家が「このままでは、日本の子宮頸がんは減らせない。」と警鐘を鳴らしています。また、子宮頸がんは患者当事者からも、「同じ後悔をする人を一人でも減らしたい。子宮頸がんとワクチンの正しい情報を知ってほしい。」と、懸命に啓発する動きもあります。
キャッチアップ接種期間は、令和6年度末まで3年間の時限措置となっており、この機会を逃すと、対象者が無料で接種できなくなります。無料期間内に3回接種を完了するためには、令和6年9月末までには、1回目接種を開始する必要があります。ワクチン接種については、対象以外の方も自費で打つことはできます。9価ワクチンは約10万円、4価ワクチンは約5万円と高額です。ワクチン接種をすると、45歳までは効果があると言われています。男性も4価ワクチンを打つことは可能です。それは、パートナーを守ることにつながります。男性については、中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、尖圭コンジローマなどにも予防効果があります。
以上を踏まえて、来年度に接種期限を迎えるキャッチアップ対象者である平成9年度生まれから平成19年度生まれの状況について、質問をします。
また、もう1点としてHPVワクチンの男性への接種について、質問します。(1)本市の令和4年度及び令和5年度までのキャッチアップ接種対象者、平成9年度生まれから平成18年度生まれの接種率はどれぐらいか。(2)本市のキャッチアップ接種対象者は何人か。そのうち、現在までワクチン未接種者の人数は何名か。(3)来年度(令和6年度)に対象の最終期限を迎える「高校1年生」及びキャッチアップ対象の「高校2年生から27歳」相当の未接種者全員に、最終期限のお知らせをするべきと考えますが、本市としてはどのような対応をする予定か。(4)HPVワクチン接種の安全性について、「接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回る」として、積極的勧奨を再開しました。キャッチアップ接種対象者の不安を払拭する啓発を、キャッチアップ期間内に集中して行うべきと考えますが、本市としてはHPVワクチン接種の接種率を上げるために、周知啓発する考え等はあるか。(5)キャッチアップ世代(平成9年4月2日から平成19年4月1日生まれ)ですでに自費で接種済の方に、払戻しができることのお知らせについて、どのように対応しているか。(6)男女ともにHPVに感染し、人から人に感染する社会全体で、接種率が上がるとがん予防にもなる。現在、男性ワクチンの接種は任意接種であり、全額自費(3回合計で約5万円)と高額です。男性の接種費用(対象者12歳から26歳)など、一部助成できないかお伺いいたします。
続きまして、マルマエホール出水周辺の駐車場及び米ノ津川ジョギングロードの樹木について、質問いたします。9月7日の一般質問で、北御門議員が駐車場については質問していますが、私は、少し深く質問していきたいと思います。
新型コロナウイルスも5類へ移行し、これから先各種イベントが本市においても開催され、ますます人が多く来場されるようになってきます。近いところでは、かごしま国体、産業祭、ツルトライトリレーマラソンなどです。そうした場合、お客様からの苦情がなく、来てよかったと思われるイベントにすることが重要と考えます。
本市の土地柄を考えた場合、会場までの交通手段のアクセスが車での移動が中心になります。今年の夏は、鶴翔祭の花火打ち上げがあり、多くの方が来場され、活気あるイベントとなりました。そうした中、市民相談もあり、実際に地元市民、周辺地域から来た方からよく聞かれるのは、「近くに駐車場はありませんか。」といった声です。現在、大規模なイベントが開催されたときに、マルマエホール周辺の駐車場が満車になった場合、本庁、出水市役所あるいは出水消防署前からシャトルバスの運行をしていますが、今後大規模イベントをマルマエホール出水周辺で開催時の駐車場確保を、できるだけ多くしたほうがいいと思いますが、どのように考えているか質問します。
また、市民相談があり、マルマエホール付近の駐車場のほかに、米ノ津川ジョギングロードの樹木についても、お伺いします。(1)マルマエホール出水周辺で、大規模イベント開催時の現在の駐車場で使用している場所と駐車できる車両台数はどれくらいか、お伺いします。(2)米ノ津川ジョギングロードの樹木は、年間を通してどのようにされているか、お伺いいたします。
3点目の熱中症対策についてです。9月8日の一般質問で日髙議員が質問しているところもありますが、私は温度・湿度管理について質問いたします。今年の夏も暑い夏が続いています。屋外においても、室内にいても、夏になると気になるのが熱中症です。特に気になるのが、時間・温度・湿度です。9月になった今でも、最高気温が30度を超す日が続いており、熱中症による救急搬送も全国で毎日のように出ている状況です。学校教育の現場でも、子供の熱中症対策は今も、そしてこれからの先の時代も必要と思われます。中高年齢者の運動や、若い20代からの40代の運動にしても、全世代の熱中症対策が大事になります。
そこで、今回は小・中学校の屋内運動場、屋外運動場、陸上競技場、体育館を使用するときの温度・湿度の現状把握をどのようにしているかと、今後について質問します。
(1)本市の現在の小・中学校の屋内運動場を使用するときの温度・湿度チェックをどのようにしているか。(2)本市の現在の小・中学校の屋外運動場を使用するときの温度・湿度チェックをどのようにしているか。(3)本市の現在の陸上競技場を使用するときの温度・湿度チェックをどのようにしているか。(4)本市の現在の総合体育館、高尾野体育館、野田体育館を使用するときの温度・湿度チェックをどのようにしているか、お伺いします。
以上で、一問目の質問を終わります。