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出水市令和5年第3回定例会 第3日

○椎木伸一市長 道上正己議員の御質問にお答えいたします。
その前に、御披瀝いただきました通学路等の道路整備につきましては、集落や父兄会、有志の皆さんによって各地でしていただいておりまして、この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
まず、過疎化が進む地域集落の公道管理についてでありますが、市道と広域農道につきましては市で管理をしております。地域の農道及び里道については受益者及び地域の方々に通常の維持管理をお願いしており、市としましても、これを補完する形で建設資材等の支給による里道等整備地域支援事業などを実施しているところであります。
次に、公道の除草作業につきましては、市道、広域農道は業務委託によりまして作業を行っておりますが、市内全域を同時期に対応することが困難な状況でございまして、雑草繁茂の状況によっては道路清掃作業員も除草作業を実施しているところであります。
次に、委託内容でありますが、市道については、出水市シルバー人材センターに、市道233路線30万5,300平方メートルを11月末までの履行期限で、年1回から3回程度の作業計画を立て実施しているところであります。広域農道につきましては、建設業者等にお盆前と年末の年2回、出水地域と高尾野・野田地域に分けて委託しております。一部、メンテナンスフリー化している部分もございます。
次に、地域集落で管理できない箇所の維持管理についてでありますが、農道の維持管理につきましては、自治会等で対応ができない農道、農地の荒廃が進んだ特定の受益者がいない農道の除草等は、令和元年度から市において対応することとしているところであります。
次に、ツルと共生していくための農業振興施策についてでございますが、ツルの市内分散は、平成26年頃から増加を確認しております。理由としては、主にその頃にナベヅルの渡来数が急激に増えました。そのため休遊地での給餌量が不足したこと及び休遊地以外でも早期米やWCSなど二番穂が確保できるような稲作が普及しまして、自然採餌ができるようになったことから、分散したものと推測されております。
次に、ツルの休遊地での給餌量との関係についてでありますが、給餌量は、環境省、県、市などで構成いたします出水ツル保護管理連絡会において、検討しています。現在は、分散化を目的として、令和元年度を基準に10%ずつ程度、給餌量を削減しているところであります。
ツルの渡来数と給餌量については、後ほど商工観光部長に答弁をさせます。
給餌量については、5年間で令和元年度の半分にする計画でしたが、令和4年度のシーズンに農業被害が前年度より多く発生したことから、令和5年度は、令和4年度と同量の給餌量を維持していく計画をしています。
次に、ツルの分散化についてでありますが、分散化は、鳥インフルエンザ等のリスクに対する種の保存を目的としていますので、国内分散を考えております。先月、分散化の候補地の一つであります四国での取組について、視察してきたところです。四国では、国土交通省四国地方整備局を中心に、行政や保護団体等が一体となりまして、ツルの越冬地やコウノトリの生息地を整備し地域活性化につなげようと、「四国圏域生態系ネットワーク推進協議会」を立ち上げていらっしゃいます。特に、四万十市や西予市では、地元の保護団体や市が採餌場所やねぐらを整備し、ナベヅル・マナヅルの越冬地づくりに熱心に取り組んでおり、今後も情報交換等をしながら、ツルの分散化につながるよう取り組みたいと考えています。
次に、食害対策資材の配布についてでありますが、現在、ツルの食害対策としまして、希望される農家に棒杭、防鳥糸、赤銀テープの配布を行っています。資材を配布した農家の方に、配布資材の食害対策への効果等についてアンケートを行ったところ、回答された方の約9割が効果があったと回答されていますので、配布する資材については、現状どおりとしたいと考えております。ただし、一部の被害が増加したようなところについては、新たな対応を考えていきたいと考えているところであります。
今後、新たに市内の農家の方々に対し、農業被害対策チラシを配布するほか、圃場からツルを追い払う方法等の調査研究を進めたいと考えているところであります。