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出水市令和5年第1回定例会 第2日

○椎木伸一市長 髙崎正風議員の御質問にお答えいたします。
   昨年、市内9か所の養鶏場で発生しました高病原性鳥インフルエンザに係る鶏の殺処分後の状況についてでありますが、今回被害を受けた養鶏場の飼養者の方々については、皆さんが経営再開の意向を示されておりまして、再開に向けての準備を行っていると伺っております。
再開時期につきましては、高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針によりますと、臨床検査の実施などが必要でございまして、発生から再開まで半年以上かかると思われます。
なお、再開に当たっては、感染経路等を明確にし、疫学調査の結果により改善対策を講ずる必要がありますけれども、調査結果報告がなされておりませんので、今後、飼養者や組合が結果に基づいた対策を実施されるものと考えております。
   次に、関連工場への影響でありますが、搬出・移動制限区域内にあった食鳥処理場等につきましては、数回の稼働停止があったものの、制限の解除が認められる特例措置の適用があったことから、影響はほとんどなかったとの報告を受けております。
   次に、疫学調査の結果ですが、先ほども申し上げましたとおり、国の疫学調査の結果報告はまだなされていないところであります。今回の防疫対策が江内地域や野田地域の河川やため池に与えた影響等についてでございますが、鳥インフルエンザ防疫対策においては、埋却までを原則72時間以内に行うよう求められておりまして、県が実施した防疫措置において不備があったことや、雨などにより消石灰等が流出したものと考えられます。流出しました水や汚泥の除去などの対策につきましては、県が地域の方々からの御意見等を聞きながら対応されていますが、市としてもできる限りの協力をしてまいりたいと考えております。
   次に、ため池の再生についてでありますが、江内地区内のため池につきましては、鳥インフルエンザ対策として、地元の関係者で協議され、冬場は水を抜いているところであります。
   今回、冷筋池については、鳥インフルエンザの発生に伴う鶏などの埋却地からの石灰等の流出により、池の水面が濁った状態となったため、県が浮遊物等の除去を行っております。その後、県が水質検査を実施し、結果は農業用としての使用に問題はないと伺っているところであります。
   冷筋池の今後の在り方については、利用形態も含め、地元や関係機関と協議をしていきたいと考えております。
   次に、養鶏農家とツルとの共存についてお答えいたします。本市は、日本一のツルの渡来地であり、養鶏をはじめとする畜産業が盛んな地域でもあります。また、ツルと共生した新たな地域づくりを目指し、鳥インフルエンザ対策等の観点から、越冬地利用調整を行っているところです。
利用調整につきましては、今年度からシーズンを通して、鳥インフルエンザ等のウイルスを保護区へ持ち込まない、持ち出さないことを目的に、観光客のマイカーでの自由な入域を制限し、レクチャーの実施による野鳥観察マナーの周知、マイカーで入域する場合の観察ルートの設定、観察ポイントの設置や消毒の徹底をお願いしております。
   今後につきましては、観光客に対する法的な入域制限も視野に、関係機関と協議を行っていくほか、野鳥の観察ルールの策定、越冬地内を周遊するバスによるガイドツアーの充実や域内を周遊できる環境に優しい専用車の台数の増加等を図り、引き続き畜産業と観光の両立に努めてまいります。
   養鶏業においては、国の防疫指針を遵守し、県・市や関係機関・団体等が連携して養鶏農家の取組を支援し、防疫対策に努めてまいります。
   次に、殺処分した鶏の焼却処理についてでありますが、国が定めます家畜伝染病予防法施行規則によりますと、病原体の拡散防止の観点から、原則、発生農場敷地内や隣接地での迅速な埋却処理が推奨されております。焼却処理を含めた防疫措置の再検討については、県と国とにおいて協議されることになると思いますので、その動向を見守ってまいりたいと考えております。