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出水市令和3年第1回定例会 第4日

○5番(北御門伸彦議員) ありがとうございます。
 次に、風力発電計画について御質問させていただきます。
 この風力発電計画については、全国各地で反対運動が起きています。ネットを検索してみて驚いたのが、2009年ですけれども、このあたりで大きなうねりがあったように意識しています。国連環境計画特使の歌手の加藤登紀子さん、呼びかけで全国80の団体、個人が当時の経済産業大臣に事業見直しを求める要望書を提出しております。当時は、お隣の水俣市のように受入れに反対姿勢を打ち出す自治体も現れておりました。要望書を見ると、風力発電は人知でコントロールすることが全くできないという致命的な欠点を持っており、欧米の専門家が指摘するように、出力変動を補うための火力発電所を増やす必要があり、ドイツでは、風力発電施設の増加で何十か所のもの石炭火力発電所が増設されているとの報告もあったようです。
 また、5項目の指摘をその中でされていますが、繰り返しの説明になりますが、御容赦いただきたいと思います。
1つ目が「地形の破壊、森林の喪失」建設した結果、土砂崩れ、土壌の流出、飲料水や海水への汚染などの深刻な環境破壊が始まりました。実は、隣の阿久根市で田代地区の4つの集落が反対表明をしたとの情報を得ております。理由は集落に近く、急斜面の上に計画されていること。また、水源がその山に起因していることなどが考えられます。また、地域全体の住民への被害、多様な生物への悪影響、景観の破壊による観光への悪影響などが想定されております。
 2つ目が、抑鬱、無気力、極度の不眠、頭痛、血圧上昇、嘔吐、耳鳴りなど様々な健康被害が報告されております。実際に現場を見ない者には想像を絶するストレス源になっていると報告されております。出水の上大川内地区では特に心配される点です。また、今議会で南鶴議員指摘の牛への影響が懸念されております。
 3つ目が、当時は事故が頻発していたようです。先月、11名の議員の参加があった議員対象の事業者説明会で耐用年数は20年と言われておりましたが、台風が少なく安定した偏西風が吹くヨーロッパと違い、日本ではブレード(羽)が折れたり、根元から倒壊した事故まであります。また、不要になったときの巨大な処理困難ごみの問題があります。土質が弱いところは30メートル程度の杭を打つとも聞いておりますが、その杭を抜いたら、山の尾根が崩壊すると思います。そうすると、巨大なコンクリートの塊とともに、山に捨て置かれます。
 4つ目は、風力は出力変動が大き過ぎる根源的な弱点です。先日、九電の方が「ミックスエネルギー」について説明に来られました。説明の中での切り取りになりますけれども、九電は、福岡県豊前蓄電池変電所を、確か200億円と言われたと思うんですが、建設したと言われました。説明用のパンフレットには、世界最大級の施設と記載があり、さらに、太陽光や風力などの発電量の変動に応じた充放電と記載されております。先日、薩摩川内市の火力発電所を閉鎖するとの報道があったかと思いますが、電力事業所が電力の安定供給のために苦慮している時代だと思います。私は、前回、夢の発電、地上の太陽をつくるプロジェクトの「核融合発電」を少し御紹介しましたが、インドでは、ウランに代えてメルトダウンが起きにくく、廃棄物も毒性が低いトリウム核分裂発電が商用化されております。次世代のエネルギーも徐々に見えてくるとは思うんですが、日本でしばらくはエネルギーミックスでつなぐため、風力に一時的にシフトしているものと考えます。ここ二、三十年のために出水の自然が壊され、廃棄物を後世に残してよいのかと思います。市長、ラムサール条約の登録を目指す観点から、もっと強い意見を発信するおつもりはないか、お尋ねします。