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出水市令和2年第3回定例会 第3日

○鮫島幸二病院事業管理者 おはようございます。上須田清議員の御質問にお答えします。
まず、令和元年度の特別利益についてですが、地方公営企業法の改正により、平成26年度から、資産の取得等に充てた企業債の元金償還に対する繰入金については、これまでの資本金ではなく、負債に整理した上で当該資産の減価償却見合い分を、順次収益化しなければならないとされました。そこで、平成26年度から平成30年度までの間、資本金に整理していた当該繰入金の総額6億9,194万円を負債に移行し、このうち、当該期間に本来収益化すべきであった3億7,987万1,760円を一括して収益化することとしております。過年度分であるため、特別利益に計上しております。なお、現年度分である令和元年度の当該繰入金については、受入時に直接負債に整理し、減価償却見合い分を医業外収益の長期前受金戻入として収益化しており、以後、毎年、この処理を継続することになります。
また、平成26年度から平成30年度までの年度ごとの資本金の内訳ですが、その発生源によって、固有資本金、組入資本金、繰入資本金の3種類があり、固有資本金が約1億円、組入資本金が約8億円で、これらの各年度の増減はありません。繰入資本金は、平成26年度約55億3,000万円、平成27年度約56億7,000万円、平成28年度約58億1,000万円、平成29年度約59億7,000万円、平成30年度約61億円となっており、繰入金の受け入れによって、年々増加してまいりました。なお、このうち、負債に移行し、特別利益として収益化したのは組入資本金(134ページ訂正あり)になります。
次に、給与費の対医業収益割合についてですが、地方公営企業法に基づき作成される決算書は、団体ごとに計上基準に違いがあるため比較が難しく、全国平均値については明らかではありません。そこで、他団体との比較を目的として、総務省が実施する決算統計の結果を見ますと、平成30年度の同割合は、全国平均56%に対して出水市病院事業は53%であり、全国より低い水準となっています。また、医業収益が増加すれば、総体的にこの割合は低下しますので、投資した人件費をいかに効果的に収益に結びつけるか、収益を最大化するために、今後も改革に取り組んでまいります。
次に、企業債についてお答えします。
企業債とは、公営企業が資金調達の手段として金銭を借り入れ、または債券を発行することにより負う債務で、その償還が次年度以降にわたるものをいいます。その元利償還金は、主として当該企業の料金収入等から支払われますが、発行するのは地方公共団体であり、その使途については病院事業の場合、病院診療所等の整備事業、並びに当該施設に係る附帯施設の整備事業、医療または看護のために必要な機械・器具の整備事業、並びに用途廃止施設の処分に要する経費等になります。
また、令和6年度までに企業債の償還額が大きく減少する理由は、決算書に記載のとおり、平成4年度から平成6年度にかけて発行した出水市出水総合医療センター本館建設のための企業債発行総額約47億5,000万円、令和元年度末未償還残高約10億5,000万円が、令和4年度から令和6年度にかけ順次償還終期を迎えるためです。なお、令和2年度の償還額が前年度より増加しているのは、令和元年度の医療情報システム機器の更新事業約2億円の償還が開始されることによるものです。
次に、現金預金の推移についてですが、令和元年度は経常利益が黒字でしたが、現金預金の減少はとまりませんでした。黒字経営でも、現金が底をつけば事業運営できません。まずは現金の流出をとめることが経営上の最重要課題であり、そして現金をふやす経営体質に、早期に変革する必要があると認識しています。そのために、患者数の増、診療単価の増など、本業である医業収益の増大を図り、一方で材料費を初めとする経費の削減に取り組みつつ、設備投資については中長期的な財務状況を常にシミュレーションしながら、資金需要が集中し、資金繰りを圧迫することのないよう計画的に進めてまいります。
次に、医業外収益についてですが、長期前受金戻入とは、先ほど答弁しましたとおり、資産の取得等に充てた企業債の元金償還に対する繰入金を、当該資産の減価償却見合い分について収益化したものです。令和元年度に金額が大幅に増加した理由は、当年度から、この決まりに従って繰入金を処理することとしたためです。なお、長期前受金戻入の過年度分については、令和元年度に一括して特別利益に計上しています。また、医業外収益の科目内訳については、預金利息を計上する受取利息配当金、一般会計からの繰入金を計上する他会計負担金、先ほど説明しました長期前受金戻入、補助金等を計上するその他医業外収益の4つの科目があり、医業外収益のほかに、令和元年度の資本金の減少に関する科目は特別利益のみです。
最後に、令和元年度の実質的な当期純利益についてですが、損益計算上の現金に着目した収支状況は、決算書に記載のとおり、業務活動によるキャッシュフロー約1億1,000万円の黒字となっています。なお、投資活動及び財務活動のキャッシュフローは、マイナス約1億4,000万円ですので、全体ではマイナス約3,000万円となり、本業によって獲得した現金が投資活動等に使用され、結果として現金の減少につながったことがわかります。
言い間違いがありました。済みません。繰入資本金のところの最後のほうに「このうち、負債に移行し、特別利益として収益化したのは繰入資本金」、「組入」と申したようですけども、「繰入資本金」になります。訂正します。