更新日:2023年4月1日
子どもの救命処置
1 子どもの年齢区分と成人の救命処置との違い
救命処置のやり方は年齢に応じて異なるところがありますが、子どもでも、約16歳以上の場合は、成人と同じ救命処置を実施します。 救命処置のやり方で、「子ども」として扱うのは、約16歳未満の場合です。 そのうち、 ◇ 約 1 歳以上で約16歳未満 ・・・ 「小児」 ◇ 約 12 か月まで ・・・ 「乳児」 として扱います" |
1 子どもには、圧迫の深さは「胸の厚みの1/3」であること。
2 乳児には、人工呼吸の方法が「口対口鼻人工呼吸」であり、反応がある場合の気道異物除去の方法が「背部叩打法(はいぶこうだほう)」によること。
3 乳児には、胸骨圧迫の位置が、「両乳頭を結ぶ線の少し足側」であり、圧迫の方法が「2本指」であること。
2 小児(約1歳以上16歳未満)の救命処置
1 反応を確認する
◇ 成人の場合と同じ
2 助けを呼ぶ
◇ 救助者が2人以上いる場合は、1人が心肺蘇生法を開始する。他の人が119番通報しAEDを持ってきます。
3 気道の確保
◇ 成人の場合と同じ
4 呼吸の確認
◇ 成人の場合と同じ
5 人工呼吸(口対口人工呼吸)
◇ 成人の場合と同じ
6 胸骨圧迫(心臓マッサージ)
◇ 手順は基本的に成人と同じです。
圧迫の位置(胸の真ん中:両乳頭を結ぶ線の真ん中)
圧迫のテンポ(1分間に100回~120回の速いテンポ)
◆ 圧迫の強さ(深さ)は、成人とは体格が違うので胸の厚みの1/3を目安として、十分に沈み込む程度に、強く、早く、絶え間なく圧迫します。子どもだからといって、こわごわと弱く圧迫しては効果が得られません。
◆ 圧迫の方法としては、子どもの体格に合わせて十分圧迫すれば、両手でも片手でもかまいません。
7 心肺蘇生法の実施(胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせを継続)
◇ 成人の場合と同じ
8 AEDの使用
◇ 小児にも、成人と同じくAEDを使用できます。手順も、成人に対する場合と同じです。
・ただし、AEDに小児用パッドが備わっていない場合は、成人用パッドを代用します。(小児用パッドは未就学児、成人用パッドは小学生以上)
・パッドを貼る位置は、パッドに表示されている絵に従います。(成人用パッド代用の場合は、胸と背中に貼る)
小児に対する気道異物除去の方法
◇ 反応がある場合には成人の場合と同じく、腹部突き上げ法(ハイムリック法)や背部叩打法を実施します。
◇ 反応がなくなった場合は、小児に対する心肺蘇生法の手順を開始します。救助者が1人の場合は、通常の心肺蘇生法をまず2分間ほど行った後に119番通報します。
3 乳児(約12か月まで)の救命処置
1 反応を確認する
◇ 成人・小児と同じ。足の裏をたたいて、刺激することも有効です。
2 助けを呼ぶ
◇ 救助者が2人以上いる場合は、1人が心肺蘇生法を開始する。他の人が119
番通報します。
◆ もし、救助者が1人しかいない場合(協力者が誰もいない場合)には、成人の
場合と違って119番通報をあとまわしにして、まず2分間の心肺蘇生法を実施し、
その後に119番通報します。そして、また戻って心肺蘇生法を続けます。
3 気道の確保
◇ 成人・小児の場合と同じ
4 呼吸の確認
◇ 成人・小児の場合と同じ
5 人工呼吸(口対口人工呼吸)
◇ 呼吸がなければ、成人・小児と同じく、1回に1秒かけ、胸が上がるのが見える
まで2回息を吹き込みます。
◆ 乳児に対しては、「口対口鼻人工呼吸」を行います。傷病者の口と鼻を同時に
自分の口で覆います。もし、同時に覆えないときは、通常の口対口人工呼吸で行
います。
6 胸骨圧迫(心臓マッサージ)
◇ 手順は基本的に成人・小児と同じです。
◆ 圧迫の方法は、乳児では2本指(中指・薬指)で押します。
◆ 圧迫の位置は、乳児では左右の乳頭を結ぶ線の少し足側となります。
・圧迫の強さ(深さ)は、小児と同じく胸の厚みの1/3を目安として、十分に強く
・圧迫のテンポは、成人・小児と同じく1分間に100回~120回の速いテンポで
・絶え間なく圧迫し続けます。
7 心肺蘇生法の実施(胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせを継続)
◇ 成人・小児の場合と同じ
乳児に対する気道異物除去の方法
◆ 反応がある場合、乳児に対しては背部叩打法のみを実施します。
・救助者の片腕の上に乳児をうつぶせに乗せ、手のひらで乳児の顔を支えなが
ら、頭部が低くなるような姿勢にして突き出します。
・もう一方の手の付け根で、背中の真ん中を異物が取れるか反応がなくなるま
で強くたたきます。
お問い合わせ先
- 消防本部
-
鹿児島県出水市緑町50番2号
電話:0996-63-0119
FAX:0996-63-2281