○出水市環境基本条例

平成18年3月13日

条例第105号

出水市民は、温暖な気候のもと、豊かな河川と広大な緑地、青い海に恵まれ、はるかな北の国から訪れるツルと共存を図りながら生活してきた。

しかし、利便性の進行による生活様式の変化や経済活動の多様化に伴う資源やエネルギーの大量消費、個々の環境への配慮に欠けた行為などにより、出水市においても環境への負荷が増大している。

更に、それぞれの地域で発生している環境への負荷は、積み重なり拡大し続け、地域的な環境問題のみならず、地球規模での環境問題をも引き起こし、人類の存続の基盤である限りある環境を脅かしている。

そこで、現在未来にわたって出水市の環境を貴重な財産として守り伝えることが出水市民の責務であるとともに、このことが地球上の人と自然との共生の確保に結びつくものであることの自覚が求められる。

ここに、健全で恵み豊かな環境が現在から将来にわたって維持されるよう、環境への負荷の少ないよりよい社会を築き、また、安心して住み、働き、学び、憩うことのできる自然を生かしたよりよい環境を形成し、これを将来の市民に引き継ぐために、環境の保全に取り組むことを決意し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、本市の環境の保全について、基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本的事項を定めることにより、これに基づく施策を市民協働のもとに総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全は、市民の健康で文化的な生活を保つために必要な健全で恵み豊かな環境を維持し、これを将来の世代に継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全は、市、事業者及び市民が公平な役割分担のもとに自主的かつ積極的に取り組み、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会を構築することを目的として行われなければならない。

3 地球環境保全は、人類共通の課題であるとともに、市民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であることから、すべての事業活動及び日常生活において、積極的に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 市は、基本理念にのっとり、施策の実施に当たっては環境への負荷の低減その他環境の保全に努めなければならない。

3 市は、環境教育及び情報の提供その他広報活動を通じて、市民の環境に対する意識の高揚に努めなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に伴う環境への負荷の低減その他環境の保全について、自己の責任と負担において、必要な措置を講じる責務を有する。

2 事業者は、自然環境及び生活環境への配慮その他環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する施策に協力する責務を有する。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念にのっとり、日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 市民は、自然環境への配慮その他環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する施策に協力する責務を有する。

(市の施策)

第7条 市は、環境の保全に関する施策について次に掲げる事項を基本として策定及び実施するものとする。

(1) 人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

(2) 生態系及び生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、河川、海岸等における多様な自然環境が適正に保全されること。

(3) 人と自然との豊かな触れ合いが保たれること。

(4) ツルと共存できる自然環境、良好な景観及び歴史的、文化的遺産が保全されること。

(5) 自然と調和した良好な都市景観及び居住環境が形成されること。

(6) 公害の防止、廃棄物の発生の抑制、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用等環境への負荷の低減が図られること。

(7) 環境教育及び広報活動の推進により環境に対する意識の高揚が図られること。

(8) 地球環境保全が積極的に推進されること。

(環境基本計画)

第8条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、市民及び事業者の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるとともに、出水市環境審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、環境基本計画を策定したとき、又は変更したときは、速やかに、これを公表しなければならない。

(国及び他の地方公共団体との連携)

第9条 市は、環境の保全を図るため必要があると認めるときは、国及び他の地方公共団体と連携してその施策を推進するとともに、国及び他の地方公共団体に対し必要な措置を講ずるよう要請するものとする。

(自主的活動の促進等)

第10条 市は、自ら環境の保全に係る活動を積極的に行うものに対し、その自主的な活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(環境審議会)

第11条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、環境の保全に関する基本的事項を調査審議するため、別に定めるところにより出水市環境審議会を置く。

(平30条例11・一部改正)

(推進体制)

第12条 市長は、市の機関相互の緊密な連携及び施策の調整を図り、環境の保全についての施策を推進するための体制を整備するものとする。

2 市は、事業者、市民又はこれらの者の組織する民間団体等と協働して、環境の保全についての施策を積極的に推進するための体制を整備するものとする。

(委任)

第13条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。

(平30条例11・一部改正)

この条例は、平成18年3月13日から施行する。

(平成30年3月23日条例第11号)

(施行期日)

第1条 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

出水市環境基本条例

平成18年3月13日 条例第105号

(平成30年4月1日施行)