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出水市令和5年第4回定例会 第5日

○大久保哲志教育長 南鶴洋志議員のゲーム・スマートフォンへの依存に関する御質問にお答えします。
ゲームやスマートフォンに依存して、利用時間などを自分でコントロールできなくなることで、日常生活に重大な支障を来す「ゲーム障害」は、2019年、WHOにより国際疾病分類に追加されました。これは、ギャンブル依存症などと同じ精神疾患に位置づけられ、朝起きられない、昼夜逆転する、物や人に当たるなどといった問題等が現れることから、引きこもりや不登校の一因にもなると考えており、健全な学校生活を送る上では、極めて大きな影響をもたらすと認識しております。
次に、本市の小・中学生の現状についてお答えします。今年9月に行ったインターネット利用等実態調査では、スマートフォンやゲーム機、パソコンなどのインターネットに接続する機器を所持している児童生徒の割合は、小学生が71.9%、中学生が94.0%となっています。また、自分専用のスマートフォンを所持している児童生徒の割合は、小学生が27.3%、中学生が61.8%となっています。
端末の利用時間については、1日の平均が2時間未満と回答した小学生が71.1%、中学生は51.8%でした。また、70.6%の家庭で、使用上のルールが決められ、53.7%の家庭が使用時間について制限を設けておりました。
さらに、児童生徒のネット依存傾向については、「インターネットを長時間利用している」と自ら感じている児童生徒は31.7%おり、「インターネットの利用を制限されると、イライラしたり落ち着かなかったりすることがある」と回答した児童生徒が6.2%いました。
次に、教育現場での具体的な対応や指導、家庭との連携についてお答えします。まず、学習指導要領には、学習の基盤となる資質・能力として「情報活用能力」が位置づけられており、この能力の重要な要素である「情報モラル」には、「情報機器の使用による健康との関わり」を理解することが含まれています。このことから、全ての学校で、児童生徒向けに関係機関や企業、教職員による情報モラルに関する講話を実施しています。また、各教科や道徳、総合的な学習の時間などの授業でも定期的に情報モラルの指導を行っています。
保護者に対しては、学校だよりや保健だよりなどの配布物のほか、学級PTAやPTA総会、家庭教育学級など、様々な機会を捉えて、ネット依存やゲーム依存予防に係る啓発活動を行うとともに、フィルタリングの設定や家庭での利用時間の制限などを行うよう依頼しております。

○大久保哲志教育長 改善傾向かと言われますと、どちらかといいますと、これからさらに子供たちの所持率が上がっていく傾向にありますので、改善とまでは言えなくて、今はどちらかというと、子供たちの所持が増えてくる、そして学校でも一人1台タブレットを使った授業が増えてくる、そうした中で、子供たちがこれをいかに使いこなすか、そして犯罪とかあるいはやってはいけないこと、こういったことをしないで、適切な使い方をするか、そちらのほうに進めていくという方向でやっているので、具体的に「改善方向か」と言われると、「そうです」とは言い切れないところはあると思います。

○大久保哲志教育長 私も、機会あるごとに学校には行っておりますけど、今寝ている生徒もいるという話がありましたけれども、最近、子供たちが寝ている状態をそのままにしておくということは、先生たちは基本的にはしないで、起こして授業をさせるという形ですので、この家庭でのゲーム依存が原因で寝ている子が増えたとか、そういう印象は持っておりません。

○大久保哲志教育長 増田先生の話は、私も学校にいるときに、自分の学校にお呼びして講演をやっていただきましたので、かなり危機感を持った話で、子供たち、当時は中学生でしたけれども、中学生がかなり真剣に聞いて、ショッキングな印象を得たというのをよく覚えております。
今、お話のあった中でゲーム依存が低年齢化しているという話がありましたけれども、今学校の場合は、先ほど情報モラルの教育が学年に応じて、実情に応じて、こうして実施されているということをお話しましたので、子供たちもゲーム依存であったり、スマホの長時間の利用が体に悪影響を与えるということは、ある程度掴んできているので、それをどうやって防ぐかというのも考えていくわけでありますけれども、最近私は気になるのは、まだ子供たちが自分で考える力がつかない乳幼児期ですね、この時期にも子供が静かにしているからということで与えて、そして動画を見たり、ゲームをしているというのを見ると、かなり私もそれに関してはまずいんじゃないかという認識は持っております。
一旦依存になってしまうと、今度は、さっき言いましたように、いくら教育を受けて、これが身体に悪いということが分かっても、これから脱却できないということになりかねませんので、やはりゲーム依存に関しては、小学校の低学年のうちから、しっかりと、我々は学校でしかできないのでやりますけども、出水市では「みんなでぎゅっ!育ててみせる出水の宝子」というポスターをつくっていますけれども、こういった中で家庭でのやるべきことといいますか、こういったことに取り組んでほしいということも、今、啓発しているわけですけれども、小さいうちに、どういったことが大事かというと、これからもやっていかなくてはならないと。学校教育と平行して、生涯学習の場で、こういったゲーム依存とかこういったことを防ぐ、未然防止になるような取組を進めていく必要があると考えております。

○大久保哲志教育長 今見せていただいたさつま町ですかね、ポスター。先ほど出水市でつくっているポスターも紹介させていただきましたけれども、それぞれまちで、こういったポスターであったり、具体的な取組、例えば学校等では毎週何曜日かをノーメディアデーにするとか、そういった取組もやっているところであります。
ですから、それぞれ取組のよいところを紹介して、学校ではそれぞれのよさを生かしながらポスターをつくったり、あるいは講演会を行ったりしているわけでありますけれども、基本的には教育委員会で何をしているかということになれば、まず教育施策の重点の中に、この情報モラル教室を必ず実施する。それから、SNSチェックシートを用いて、ネットトラブルの未然防止を図る。こういった取組するということは、共通してやっていただいております。
ただ、一方で学校の規模とか実態には違いがあることもありますので、それぞれの学校の実情に応じて、創意工夫した取組、そして啓発活動を行うことが必要であるというふうに考えております。