議会議事録検索

出水市令和5年第4回定例会 第2日

○1番(井伊健一議員) 本日、最後の登壇になります。もうしばらくお付き合いいただきたいと思います。
それでは、早速、通告に従いまして質問に入らせていただきます。今回は大きく2点であります。1点目が認知症について、2点目が傘のしずく取り器の導入についてになります。
まず、初めに認知症についていきます。
本年6月に、共生社会の実現を推進するための認知症基本法が成立しました。認知症基本法の理念に基づいて、認知症の人が社会に参画し、希望を持って暮らせるための施策に取り組んでいくときだと思います。今後、さらに少子高齢化が進み、認知症患者が2025年には65歳以上の約700万人になると予測されています。認知症の人やその家族が安心して暮らせる環境づくりは、喫緊の課題です。一昔前ならば、「認知症は隠すもので人前に出すな」と言われていました。しかし、今は時代が変わり、認知症の方もできることをしてもらう、働くという時代になっています。また、体を動かすことにより、認知症の症状の進行を抑えることも、調査結果で出ています。
本市においては、ころばん体操、こけん塾の開催、高齢者大学やオレンジカフェなど、高齢者・認知症の方に対してすばらしい取組をしておられます。認知症の方に対して、みんなが認知症の理解をさらに深めるとともに、認知症の人や家族の視点に立って、社会の仕組みや環境を整えることが、今後さらに重要と思います。
また、住民一人一人に、認知症を自分ごとと捉えてもらうことであり、認知症であっても、認知症でなくても、自分らしく暮らせるまちづくりに市を挙げて取り組むことだと考えます。
そこで、御質問します。(1)現在、本市で把握している認知症の方は何名いるか。(2)(1)のうち、在宅の認知症の方は何名いるか。(3)在宅の認知症の方に対しての本市の取組はどのようになっているか。(4)行方不明になった際に、早期発見するために、認知症(疑い)の方も含めての方を、どのように捜索するようにしているか。(5)認知症の方が、他人の財産を壊した場合の弁償について、現在どのような対応になっているか。(6)認知症サポーター養成講座を今までに受講された方は何名いるか。小学生、中学生、15歳から69歳まで、70歳以上。(7)認知症の映画上映を今までに何回、実施しているか。参加者数及び映画を見た方のアンケートの感想はどうか。お答えできる範囲でお願いします。(8)本市で認知症フレンドリー宣言を表明してはどうか。
以上、認知症についてです。
続きまして、傘のしずく取り器の導入について。雨の日は、誰しもが憂鬱な気分になりがちです。職員ならば、スーツできっちりと服装を整えなければならないのに、雨でぬれてしまうと気分も落ち込んでしまう。そんな雨の日ですが、実は危険が潜んでいます。雨の日に潜む危険を知らなければ、思わぬ事態になります。雨の日は床がぬれてしまうことが原因で、転倒事故が多くなります。
転倒事故と聞いても、いまいち重大性を感じない人もいるかもしれませんが、日本では仕事中の転倒によって、4日以上仕事を休む人が、年間3万人以上いると言われています。この統計の中には、段差のつまずきや床に落ちたままの油が原因となっている事例もありますが、雨によって床がぬれた状態を放置するのは非常に危険です。特に、高齢の方は、若い方に比べて足腰が弱く、転倒しやすい傾向にあります。さらに、骨がもろくなっているため、転倒によって骨折したり、受け身を上手く取れずに、手や足を痛めることもあります。若い方であっても、足を滑らせて転倒した場合、大怪我につながるおそれがあります。職員の怪我は、業務効率の低下や人手不足の原因にもつながるため、雨の日対策をする必要があります。
外で使用した傘も、オフィス内に水滴を持ち込む原因の一つです。もちろん、傘を使用した人も、オフィスに入る前に雨粒を振り落としていると思います。しかし、それだけでは傘に付いた雨粒を全て取り除くことはできません。撥水加工が施された傘であれば、振り払うだけでほとんどの雨粒を取り除けるかもしれませんが、多くの人が使用しているのが、ビニール傘をはじめとする安い市販のものです。本市の公共施設、小・中学校では、傘スタンドの設置、ビニール傘用の袋の使用などあると思います。
現在、人の出入りが多い場所について、ぬれた傘の対応をどのようにしているか御質問いたします。1、市役所本庁、高尾野支所、野田支所はどのようにしているか。2、小学校、中学校はどのようにしているか。3、その他、公共施設ではどのようにしているか。
以上、一問目の質問を終わります。

○1番(井伊健一議員) まず、現在、本市で把握している認知症の方ということで、2,380人。この人数、市長、多いと思いますか、少ないと思いますか。

○1番(井伊健一議員) これ、分かっている範囲が2,380人だと思うんですけれども、実際はこの2倍、3倍はいるかと思うんですけれども、その辺、どのようにお考えですか。

○1番(井伊健一議員) そのうち、在宅の認知症高齢者数、これ1,330人、これやっぱり夫婦二人とかそういったところも多いんでしょうか。

○1番(井伊健一議員) そういう家庭が今後、多くなるかと思うので、その辺も含めた対応をしていただきたいと思うところであります。
3番目の在宅の認知症の方についての本市の取組、これオレンジカフェ、あるいは集中支援チーム、あるいは訪問等、あと見守りサービス、いろいろやっていると思います。これも引き続きやっていっていただきたいと思っております。
今回、4番目、5番目をちょっと注力してお話をしたいと思うんですけれども、行方不明になった際の早期発見するための、疑いの方、また認知症の方も含めて、どのように捜査するかということで、GPS、これは貸出しをできる体制を取ってやるということなんですけれども、今後、行方不明になったときにGPSはちょっと高価というのもあるのと、持ち歩くというか、そういったところも大変かと思うので、実際、書画カメラの1をお願いしたいと思いますけれども。(議場内ディスプレーへの資料表示)これはQRコードになります。自治体によっては、こういったQRコードを衣服に縫いつける、あるいはシール等を発行して、そのような形で対応しているところもあります。こんな感じですね。これは腕に貼ってあるんですけども、これ北御門議員が何年か前の議会質問でも少し触れていますけれども、こういったQRコードを取り付けた、そういった対応をするお考えがないか、質問します。

○1番(井伊健一議員) GPS、そっちのほうから進めたいということなんですけれども、来年、2024年度からは学校の教科書等にもこういったQRコードを付けて、授業も展開されるということですので、その辺も含めて、心ある勇気ある小学生、中学生もこういった認知症の方を見つけたときには、場合によってはQRコードでぽっとできればいいのかなと思うので、ぜひとも検討をしていただきたいと思うところであります。
もう一つですね。これ実際、NHKのクローズアップ現代でも、たまたま私見て、資料をつくったあとに見たことなんですけど、認知症の方本人が自分の力を活かして、行方不明を防ぎながら、安心スムーズに外出を続けるための「希望をかなえるカード」の利用が広がっています。書画カメラの2をお願いしたいと思います。(議場内ディスプレーへの資料表示)こういったカードなんですけど、これも先ほど言ったように紹介されていました。危ないからと周囲に持たせるのではなく、本人が自由な外出を続けるために、自分が持つという、そういったカードであります。あらかじめカードに記載しておく内容も、認知症の方本人が自分なりに考えて持ち替えて歩くのです。例えば、「どこどこの駅で降りたい。一声かけて教えてください。」あるいは、「家への道を教えてください。目印は○○というお店です。」「私の代わりに電話をしてください。電話番号は何番です。」など、認知症の人それぞれが必要なときに周囲の人に見せて、協力してもらうカードであります。言葉が出にくくても、カードを出すと伝わる。そして、またみんな親切で嬉しいという声もあるそうです。こういった「希望をかなえるカード」を、認知症あるいは認知症の疑いで希望する方に配布するというお考えはないか、御質問いたします。

○1番(井伊健一議員) そのヘルプカード、それがあるということですので、それを大いに活用してやっていっていただきたいと思います。
(5)、認知症の方が他人の財産を壊した場合の弁償について、現在、どのような対応になっているかということについて、基本的には当事者間で解決すべき問題であるということで、また独自に個人で民間の保険に加入されている方もいるということなんですけども、私も何年か前に個人的にこういった認知症じゃないんですけれども、万一、人の物を壊したりとか、あるいは故意じゃないんだけどぶつけて壊したとかいったときの、この保険制度というそれに入っています。それは、私個人もなんですけれども、私の家族、あとは両家の両親、同居している兄弟がいればその辺まで、私が一人が入っていれば補償できるという内容なんですけれども、大体年間で個人で入って2,000円というやつなんですけれども、今回、私が紹介したいと思っているのが、特に体が動く認知症の方のために、損害賠償責任を負った場合に備える保険事業、これは導入してはどうかという提案をさせていただきたいと思います。
というのが、認知症の方は、いつどこで何を起こすか分かりません。全国であったことを、いろいろ調べてみると、車のガラス、家のガラスを割った。携帯電話やスマホを投げて壊した。無銭飲食をした。意味不明なことを言い出して他人に暴力を振るったなど、何かやらかした後の損害賠償責任は家族にきます。その損害賠償に備えて、保険加入が大事になってくると思われます。すでに、認知症保険については、家族が月々支払いをして保険に加入している家庭もありますが、私が提案するのは市が保険者、いわゆる契約者となって加入をしてもらってはどうかという御提案でございます。例えばなんですけれども、ほかの自治体では保険会社と契約して、保険事業の導入をしている自治体もありますので、御紹介したいと思います。
大分県大分市の例になります。書画カメラの3をお願いします。(議場内ディスプレーへの資料表示)ちょっと見えにくい所なので、説明したいと思います。大分市認知症高齢者等個人賠償責任保険事業というんです。これは、認知症の方の「もしものとき」に備えて、認知症高齢者等個人賠償責任保険ということになります。これは市が保険契約者となり、保険料を全額負担しますので、被保険者の自己負担はなしという内容であります。
対象となる一例としては、1点目に線路内に立ち入って、電車を止めてしまい、鉄道会社から損害賠償を請求された。2つ目に、自転車に乗っていて、歩行者にぶつかり、他人に怪我を負わせた。3点目、日常生活における事故で、他人のものを壊した。事故の状況によって、対象にならない場合もあるということであります。
保険加入の対象者なんですけれども、あとで御説明しようと思うんですけれども、大分あんしんみまもりネットワーク、これに事前登録している方が対象となります。高齢だからといって、保険のみの加入というのはできないので、あくまでも認知症の方を対象としております。
次の書画をお願いします。(議場内ディスプレーへの資料表示)大分あんしんみまもりネットワークというのは、外出時、道に迷うおそれのある高齢者等の情報を事前にネットワークに登録し、高齢者等が行方不明になった場合に、企業、団体、行政が一体となって捜査に協力し、早期発見につなげる、そういう支援する取組であります。対象者は大分市に住民票があり、市内に居住している高齢者のうち、認知症等の理由により道に迷い、行方不明になる可能性のある方、この方が対象になります。
保険加入の申込みについては、この大分あんしんみまもりネットワークに登録されると、自動的に保険加入ということになるそうです。
補償内容についてなんですけれども、補償金額、1事故当たり上限が1億円、示談交渉のサービスがついています。被保険者に法律上の損害賠償責任が発生した場合、被保険者に代わって保険会社が示談交渉を行うと、そういうふうになっております。例えば大分市の場合、窓口として、事故サポートフリーダイヤルの番号で受け付けているそうです。株式会社保険プランニング大分が取扱代理店として、扱っているそうであります。
次の書画をお願いします。(議場内ディスプレーへの資料表示)ちなみに、認知症高齢者等の個人賠償責任保険ということで、私は大分県の大分市以外、茨城県の水戸市、あと兵庫県の高砂市の状況をお聞きしてまいりました。大分市の場合は、人口47万5,000人に対して、この大分あんしんみまもりネットワーク、これは285人登録しているそうです。茨城県の水戸市については、人口26万人に対して、登録者50人。兵庫県の高砂市、これは人口8万5,000人に対して76人が登録しているということであります。
実際、入札あるいは相見積り、そういったやり方でやっているそうなんですけれども、大分市の場合は、入札でしても1者しか来なかったということで、そこのみで行っているということです。茨城県の水戸市については、3者入札に来たということで、その中から1者選択してやっているそうです。兵庫県高砂市、ここにつきましては相見積りを取って、一番安かったところと契約をしているということで、この登録者数というのが、いわゆる認知症の方の登録した方の数なんですけれども、どこも毎年、あんまり人数的には変わっていないということを話されておりました。
保険契約の期間、これについては認知症の方も動ける間はこういった保険が必要となってくると思うんですけれども、動けない、というか、なかなか遠出しなくなったという場合は解約等も考えないといけないということで、1年に1回の更新で「する、しない」ということを、それぞれ御家族の方等に聞いてやっているということであります。
今、紹介しましたけれども、こういった認知症の方の損害賠償保険、これを導入するお考えがないか、御質問いたします。

○1番(井伊健一議員) ぜひとも、検討していっていただきたいと思います。
続きまして、6番目の小・中学校の児童生徒の認知症の教育、講座についてなんですけれども、お伺いしたいと思います。
認知症教育、もうされているということですので、今後、2050年には1,016万人の方が、認知症になると予測されております。全年齢の10人に1人になるとの予測も出ていますので、将来、お世話になるかもしれないので、今後とも小・中学生に対しての認知症教育をしていただきたいと思います。また、将来、地元で高齢者関係の仕事をしたいという児童生徒も出てくるかもしれません。認知症と思われる方を見かけたら、このように話しかけて、反応を見て、連絡するなり通報して、保護してもらうなりの協力をしていただけるのではないかと思いますので、認知症教育のほうも、これからもしていっていただきたいと思うところであります。
7番目の映画の上映についてなんですけれども、映画の上映、これ回数を重ねるごとに実際、増えていっているか、お伺いします。

○1番(井伊健一議員) その中で、認知症に関する関心度、どういった人が多いかということでお聞きしたいんですけれども、例えば、家族に認知症の患者がいる参加者が多い、あるいは将来自分も、また自分の周りもそういう人が多いかもしれないなど、そういった不安を抱えている人が、やっぱり参加者数の中で多いのか、その辺、お聞きします。

○1番(井伊健一議員) 分かりました。
最後、8番目。本市で認知症フレンドリー宣言を表明してはどうかということで、御答弁の中で、すでに宣言以上の具体的な取組を進めているということですので、ちょっと御紹介だけさせていただきとは思うんですけれども、書画カメラの6番、お願いします。(議場内ディスプレーへの資料表示)これ、三重県四日市市のほうで令和4年8月23日に、四日市市長の森市長がしている宣言であります。
「認知症は誰もがなりうるものであり、家族や身近な人が認知症になることなどを含め、多くの人にとって身近なものとなっています。
認知症の人や家族が、住み慣れた地域で、いきいきと安心して暮らし続けるためには、みんなが認知症への理解を深めるとともに、認知症の人や家族の視点に立って社会のしくみや環境を整えることが重要です。
こうしたことから、認知症があっても、なくても、誰もが暮らしやすい「認知症フレンドリーなまち」の実現に向けて、オールよっかいちで取り組むことを宣言します。
1、認知症に関する正しい知識や理解を深め、認知症の人や家族の想いに寄り添った行動ができる応援者を増やします。
2、認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域の団体や企業などと連携し、みんなで見守り支え合える地域社会を目指します。
3、認知症になっても、これまで積み重ねてきた経験などを活かしながら、役割と生きがいを持って、自分らしく暮らせるまちづくりを進めます。」ということで、出されております。
この辺も参考にしながら、出水市独自の認知症フレンドリー宣言、お出しする気はないか、お伺いいたします。

○1番(井伊健一議員) 認知症の方に優しいまちづくりを目指して、取り組んでいっていただきたいと思います。
続きまして、傘のしずく取り器導入について、質問したいと思います。
傘をフロアに持ち込んだ場合は、フロアがぬれたり、滑って転倒するなど、問題があるかと思います。そこで、御提案です。
今から説明しますが、環境に優しい、フロアをぬらさない、ビニール傘用の袋の使用削減等の対策として、傘のしずく取り器を導入する考えがないか、御質問したいと思います。書画の1(議場内ディスプレーへの資料表示)、これ、ほかの自治体等でも導入して進めているところもあるので、御紹介したいんですけれども、まず、ぬれた傘をそのまま中央から差し込みます。そして、次に差し込んだ傘を上下に3回から4回、抜き差しします。最後に傘を抜くだけ。これで傘についてる水滴はほとんど除去される、そういったものでございます。
この傘のしずく取り器の構造なんですけれども、特殊樹脂でしずくを取り、下のほうに設置してあるトレーの中に水滴が溜まるようになっています。トレーの容量は約3.6リットルで、1,500本から2,000本のしずくが処理できる見込みとのことであります。
あと、カートリッジの交換が約2年を目安に必要ということで、電力を必要とせず、ビニール袋も使用しないため、環境にやさしく、節約・安全とのことで、フロア内への水滴の持込みはないという、そういった傘のしずく取り器であります。
書画の2をお願いします。(議場内ディスプレーへの資料表示)実際、福岡市とかでも導入されているんですけれども、九州電力、あるいは福岡銀行、アクロス福岡、そういった所でも導入しているということです。書画の3をお願いします。(議場内ディスプレーへの資料表示)価格的なものについてなんですけれども、大体10万円から20万円するものからいろいろあります。安いものについては、私も調べたモノタロウとか調べれば5万円ぐらいであるのもあります。こういったものを導入するお考えがないか質問いたします。

○1番(井伊健一議員) また将来的に御検討していただければと思います。
以上で、私の質問を終わりたいと思います。